原由子似の女は電車の席で、
 ──どうしよう・・
 携帯のストラップを指でいじくりながら、ひとり悩んでいた。
 やってしまったことは仕方がない。もうどうしようもない。
 それは分かっている。でも、
 ──どうしよう・・
 つい考えてしまう。
 いや、何も考えてなどいない。《どうしよう》というコトバが頭の中をまわっているだけ。だって、どうしようもないのは重々承知だから。
 どうしようもない、でも、どうしよう。